暗いところで眼を使いすぎても近視にはなりません。

近視の人の大多数は、めがねやコンタクトレンズで視力の回復、矯正が可能な、単純近視です。ごくわずかですが、病的な近視の方もいます。眼科医師の間では、単純近視も病的近視も含め、近視は遺伝的な素質が強く関係しているとみる説が大勢をしめています。したがって、勉強のしすぎや暗いところで本を読んだから近視になったということはありませんし、近視治療で治ったというのも例外です。

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日本には、「仮性近視」あるいは「偽近視」という考え方があります。読書や勉強など、近くのものを見る作業を続けたために一時的に近視の状態になったというものです。これは日本独自の理論であり、最近は否定的にとらえられています。近視になると、遠いところをみるときにぼやけます。近いところは良く見えます。単純近視の場合は、近視の度が比較的軽いことが多く、めがねをかければ正常の視力まで矯正可能です。近視の人は、近くを見るときには正視の人よりも調節しなくていいので、現代のように近くを見ることが多い社会では、かえって疲れにくいという利点もあるのです。単純近視は、小学校高学年から中学生ほどから始まるのに対し、病的近視の場合は、幼児期から始まり、どんどん進行します。近視の度も強く、めがねをかけても視力が0.1や0.2までぐらいしか視力の回復は望めません。眼球がかなり大きくなるので網膜が引き伸ばされ、薄くなっています。そのため、目を打撲するなど、ちょっとした衝撃で網膜に裂傷が生じ、網膜はく離を起こす危険があります。

リスクと利点を考えて視力回復方法を選択することが大切です。

近年、視力回復の治療は目ざましい進歩をとげています。 現在の眼科医療では視力はどれほど回復し目の病気はどこまで治せるのでしょうか。 コンタクトレンズ、手術、レーザー治療、人口水晶体、角膜移植、薬物治療など、選択肢が広がりつつあります。 しかし、まだ歴史が浅い分、安全な術法が確立していないものもあります。 安全で、確実に治療、改善するためには、どのようなことに留意する必要があるのでしょうか?たとえば、最近、視力回復の有効な方法として、レーシック手術が注目されています。 しかしレーシックの安全性、有効性をうたう眼科医院でさえ、手術に関する承諾書で以下のような注意点をあげています 「術前に近視が強い人の場合特に、暗いところや夜間に見え方が良くないことがある・また夜間に、明るい光の周辺に輪状のもやがつく(ハロー)、夜間の照明が眩しい(グレア)、放射状に光が見える(スターバスト)ことが、ある。 」さらに、「感染等によって重度の視力低下をまねく恐れがある」とさえ述べています。 そして「レーザー手術が人間の目の治療に応用されるようになって、約20年経つもの、すべての合併症を把握することは不可能であり、承諾書に書かれた問題や合併症以外のことが起こりうることをご了承ください」と述べています。 めがねやコンタクトレンズなしの生活がどれほど快適であるかは、日ごろ、特に運動時などに不自由を感じていらっしゃる方なら痛感していらっしゃることでしょう。 しかし、まだこのような「不確実な段階」であることを考え、その利点とリスクを考えて、納得のいく視力回復方法を選択することが大切です。

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